1985年に英国のBakerらが頭部に磁気刺激を行い手指の筋収縮を記録することに成功して以来、経頭蓋磁気刺激は神経生理学の分野で研究に応用されてきました。TMSが世界で最初にうつ病の治療に応用されたのは1993年のことで、薬物治療に反応しない2例のうつ病患者に対してTMSが行われました。当初は現在のような8の字コイルではなく円形コイルが用いられ、刺激部位も頭頂だったそうです。現在のような8の字コイルを10Hzの高頻度のTMSが行われるようになったのは1996年頃からです。
それから12年間さまざまな研究報告が重ねられ2008年には米国FDAがrTMSを認可。安全性に関するガイドラインも新たに整備され米国では多くの医療施設でTMS治療が取り入れられ流ようになりました。日本ではそれから遅れること9年、2017年にようやく保険治療として認可されるに至ったのです。