TMS東京マインドフルネスクリニック

更年期の物忘れ・集中低下とうつ症状の違いと相談目安

更年期に入り、人の名前が出ない、仕事の段取りに時間がかかる、家事の途中で何をしていたか分からなくなる。こうした変化があると、認知症やうつ病ではないかと不安になります。更年期には集中力低下などの精神神経症状がみられることがありますが、睡眠、気分、身体疾患、薬の影響など別の要因も含めて確認することが大切です。

この記事でわかること

  • 更年期に物忘れや集中低下が起こる背景
  • うつ症状・睡眠不足・身体疾患を分ける視点
  • 産婦人科・精神科・内科へ相談する目安

目次


更年期の認知面の変化は、睡眠・気分・身体症状と一緒に見ます

更年期は閉経の前後およそ5年ずつを指し、ほてり、発汗、動悸などの身体症状に加えて、気分の落ち込み、イライラ、不眠、集中力低下などが起こることがあります。複数の症状が重なると、物忘れが急に増えたように感じる方もいます。

ただし、更年期の年代に起きた症状がすべて女性ホルモンの変化によるとは限りません。うつ症状、不安、睡眠障害、甲状腺疾患、貧血、薬の影響などでも集中や記憶に影響が出るため、自己判断で一つの原因に決めないことが大切です。

更年期との関連月経の変化、ほてり、発汗、動悸、気分の波と同じ時期に集中低下が始まる。
睡眠との関連寝つきや中途覚醒が悪い翌日に、言葉の出にくさや判断の遅さが強くなる。
うつ症状との関連楽しめない、意欲が出ない、自責感が強い、朝に特につらい状態が続く。
身体疾患・薬強い倦怠感、体重変化、動悸、息切れ、服薬変更などと同時に始まる。
神経症状急なろれつの回りにくさ、片側の手足の力が入らない、強い頭痛などは緊急評価が必要。

「年齢のせい」で終わらせないでください

生活への支障がある変化は相談して構いません。一方で、よくある物忘れだけで認知症と決めつけず、症状の始まり方と一緒に起きた変化を整理します。


一週間の記録では、忘れた回数より生活への影響を残します

物忘れをすべて数えると不安が強くなり、記録が続きません。受診前には、困った場面、睡眠、気分、月経・ほてりなどの変化、服薬を一週間程度メモします。仕事や家事の何が難しくなったかを具体的に伝えることが大切です。

言葉が出ない時は、思い出せたかまで書く

少し時間を置けば出てくるのか、手がかりがあっても思い出せないのか、会話や仕事にどの程度影響したかを残します。

集中低下は、起きる時間帯と前夜の睡眠を見る

午後に強い、会議が重なると悪化する、眠れなかった翌日に強いなど、条件が分かると原因の整理に役立ちます。

気分の変化は、興味と意欲の戻り方を確認する

休めば楽しめるのか、何をしても楽しめない状態が続くのかを見ます。うつ症状では集中低下とともに意欲や自己評価が大きく落ちることがあります。

  • 月経周期、ほてり、発汗、動悸などの身体変化
  • 就寝・起床時刻、中途覚醒、翌日の眠気
  • 落ち込み、イライラ、不安、楽しめる時間
  • 仕事、家事、金銭管理、移動への具体的な支障
  • 新しく始めた薬やサプリメント、量が変わった薬

記録は診断をつけるためではなく、適切な相談先を選ぶ材料です

相談先は一つに決めず、強い症状から優先して選びます

月経の変化やほてりなどが中心なら産婦人科、落ち込みや不安、不眠が強いなら精神科・心療内科、強い倦怠感や動悸などがあるなら内科での確認が役立ちます。急な神経症状は救急を含む早急な評価が必要です。

産婦人科月経変化、ほてり、発汗など更年期症状を評価し、ホルモン補充療法や漢方薬などを検討します。
精神科・心療内科落ち込み、意欲低下、不安、不眠、集中低下を評価し、うつ病などの治療を検討します。
内科・神経内科等甲状腺、貧血、薬の影響、認知機能、急な神経症状など、身体・神経面を確認します。
当院うつ症状や治療歴を確認し、標準治療を尊重しながらTMS治療が選択肢になるか個別に見極めます。

TMS治療は、年齢による物忘れを直接改善する目的で一律に行う治療ではありません。更年期の集中低下や物忘れだけを理由に適応を決めず、うつ症状の有無、これまでの治療、安全性を診察で確認します。

更年期症状やうつ症状へのTMSは、国内承認された適応と異なる場合があります。適応外使用となる場合は、標準治療、期待できる点、限界、費用、副作用をご説明したうえで検討します。

強い希死念慮や自傷念慮、急なろれつ困難、片側の麻痺、経験したことのない激しい頭痛がある場合は、通常予約を待たず救急へ相談してください。

よくある質問

Q

更年期になると物忘れは必ず増えますか?

A

必ずではありません。


集中力低下を感じる方はいますが、睡眠、うつ症状、身体疾患、薬の影響などもあるため、生活への支障があれば相談してください。

Q

物忘れと認知症はどう見分けますか?

A

自己判断だけで見分けるのは難しいです。


思い出せるか、生活管理への影響、進行の仕方、周囲から見た変化を医療機関で確認します。急な変化は早めに受診してください。

Q

婦人科と精神科のどちらへ行けばよいですか?

A

最も困る症状から選んで構いません。


月経やほてりが中心なら婦人科、落ち込みや不眠が強いなら精神科・心療内科が目安です。必要に応じて連携します。

Q

更年期のうつ症状はホルモン治療だけで治りますか?

A

原因と状態によって異なります。


ホルモン治療が適する方もいますが、うつ病としての治療が必要な場合もあります。産婦人科と精神科の評価を組み合わせます。

Q

集中力低下にTMS治療は使えますか?

A

症状だけで適応は決まりません。


物忘れを直接改善する目的で一律に行わず、うつ症状、治療歴、安全性を確認し、適応外使用となる場合の限界も説明します。

まとめ:更年期の物忘れは、睡眠・気分・身体の変化に分けて相談します

更年期には集中力低下などの精神神経症状がみられることがありますが、睡眠、うつ症状、身体疾患、薬の影響でも似た変化が起こります。

忘れた回数だけでなく、症状の始まり方、月経や身体変化、睡眠、気分、生活への支障を一週間ほど記録すると相談先を選びやすくなります。

急な神経症状や強い希死念慮がある場合は緊急の医療相談を優先し、生活への支障が続く場合も年齢のせいと抱え込まず受診してください。

記録すること月経・身体変化、睡眠、気分、物忘れの場面、生活への影響、薬の変更。
相談先の目安更年期症状は産婦人科、気分・不眠は精神科、身体・神経症状は内科等。

当院へのご相談

更年期の物忘れや集中低下を、一人で原因づける必要はありません。当院では、うつ症状、睡眠、治療歴、生活への影響を確認し、必要な相談先と治療選択を整理します。

更年期のうつ症状については更年期うつへのTMS治療をご覧ください。関連コラムは更年期のイライラ・落ち込み、ブレインフォグが続く時の相談目安も参考になります。

自由診療(保険外診療)に関するご案内

当院でTMS治療をご案内する場合、自由診療(公的医療保険適用外)となります。

費用・期間の目安:1回 9,900円(税込)。治療の効果を出すためには最低10回程度(総額目安:99,000円)が目安となります。通院期間は通常4〜12週間程度です。

主なリスク・副作用:治療中の頭皮の刺激感・痛み、顔まわりの不快感、頭痛などがあり、多くは一時的で治療経過とともに軽減します。

適応外使用(オフラベル使用)について

未承認の旨:本治療で用いる反復経頭蓋磁気刺激装置は、国内において「既存治療抵抗性の成人のうつ病」を効能・効果として薬事承認を得ていますが、うつ病以外の症状(慢性疲労、脳疲労、ブレインフォグ、不眠症、不安・パニック障害等)に対するTMS治療は、国内においては医薬品医療機器等法(薬機法)上の承認を得ていない適応外使用(オフラベル使用)となります。

入手経路:当院で使用する治療装置は、国内の正規代理店より医療機器として法的に購入しております。

国内承認機器の有無:うつ病以外の症状(慢性疲労、脳疲労、ブレインフォグ、不眠症、不安・パニック障害等)を対象として国内で薬事承認されている経頭蓋磁気刺激装置は存在しません。

諸外国における情報:諸外国において、特定の精神疾患、睡眠障害、神経症状等に対してTMS治療の臨床試験や承認等が行われている地域がありますが、国内における適応外使用においては、重大なリスクがすべて明らかになっていない可能性があります。

救済制度の対象外:承認された効能・効果、用法・用量に従わず適応外使用(オフラベル使用)により重篤な健康被害が生じた場合、国の「医薬品副作用被害救済制度」の給付対象外となる場合があります。